論文執筆

Yu-u22012-03-27

「コミュニティ形成の困難と可能性:
 キリスト教におけるクィア・アクティヴィズムの実践から」

 国際日本学研究会 『文化/批評』 臨時増刊号
 (2012年03月20日発行) [総特集:横断するポピュラーカルチャー]、
 119−138頁。

 大阪大学グローバルCOEプログラム「コンフリクトの人文学国際研究拠点」ここ)のRF(リサーチ・フォーカス)の一つ、「横断するポピュラーカルチャー」(ブログはここ)研究プロジェクト。一応、2007年当初より連携研究者として名前を連ねさせていただき、最終年度を迎えた。
 3月27日、その通称「横ポゼミ」最終回に参加。でき上がりほやほやの『文化/批評(Cultures/Critiques)』の臨時増刊号をいただいた。

 この特集号のメインは、なんといっても、第二部の「共有の空間をつくる実験『ちっちゃい火』を囲む」。大学という空間で、焚き火を囲みながら、さまざまな立場や背景をもつ人々が集まる。その準備や後片付けも含め、さまざまな関係が化学反応みたいなものを生み出していくプロセス。全4回の詳細な記録が、関わった人々の文章、カラー写真やイラストなどなどで構成されている。
 わたしは、一度しか参加できなかったので、じっくりと読み直してみたいところ。

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 「横断するポピュラーカルチャー」では、拠点の紀要『コンフリクトの人文学』での特集、また教員の方々を中心とした複数の市販論集などの研究成果物が出版された(4月以降にも出版される予定のようである)。
 それらに入れなかった残余(?)も含めて、この『文化/批評』に論文掲載を、という話をいただいた。といっても、蓋を開けたら、わたしだけ?っていう気がしないでもないような気もするのだけれど、しかし、ともかく、多少場違いなものではあるが、掲載していただけることになった。

 国際ワークショップ「空間とガバナンス」(ここ/2012年1月14日〜15日/於:京都)で報告した原稿をもとに、信仰とセクシュアリティを考えるキリスト者の会(ECQA)での活動を考察。いまや、日本で最も古いキリスト教性的少数者(差別)をめぐるコミュニティになったが、そのなかでも、相談業務にみる傾向と、それを支える会員組織の可能性を描こうとしたもの。

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 「ポピュラーカルチャー」を、民衆文化、民俗文化、社会運動と表現など、という定義で用い、一見、接合できるのかどうかわからないようなテーマが、この研究プロジェクトでは、取り扱われてきたのだと思う。文部科学省の大掛かりな仕掛けが基盤となって、遂行されてきたのだと思うけれど、いずこも同様、終結していくわけで、とても残念な気がする。

 ただ、コアに関わってこられた方々のさまざまなご苦労を思うと、「残念」などという一言で片付けてはいけないような思いもありつつ。みなさん、本当にお世話になりました。ありがとうございました。




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